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一日のうち、フルタイム労働者が勉強に専念する時間は、ほぼありません。自らの生活と健康を守り、家族を養い、育てる。そのうえに、勉強時間をつくるなど至難の業です。
勉強をする以外に、手持ち無沙汰な時間、ヒマな時間を持て余しているのであれば、よほどの天才を除いて、おそらくその年は合格しないでしょう。司法書士試験はそんな甘い試験ではありません。ボーとする時間、ヒマな時間をつくらない―。考えてみれば、合格した年の私は、そのことを徹底した1年だったように思います。
何度でも繰り返します。フルタイム労働者が絶対的に確保しなければいけないのは、勉強時間です。
オーソドックスなところでいえば、通勤や移動中の電車の中、出張中の新幹線や飛行機の中、待合室や昼の休憩中―。(環境によって許される人とそうではない人がいると思いますが、)帰社前の短時間だけカフェに立ち寄るなどして、数十分でも隙間時間を生み出しテキストをめくる時間を確保していました。
通勤で駅まで歩く15分がもったいない、会社でトイレに入っている時間も惜しい、と携帯アプリで購入した肢別過去問を苦手な科目に限ってチョコチョコ解いてみたり、昼食を秒で終わらせ公園でテキストを読んだり…。残業も極力避け、禄をはむための労働以外、すべての時間は睡眠と勉強にあてていました。
その結果、必死でかき集めた隙間時間と、早朝の時間と合わせて、平日はトータル5~6時間程度は勉強時間を確保していたと思います。
「なんだ、結局は、余暇もない苦行難行じゃないか…」。そう思われた方もいると思います。そうです。余暇もなく、寸暇を惜しんで勉強時間にあてるのは苦行難行です。
それもそのはず。一日のすべての時間を勉強に費やせる若い専業受験生と、日々の労働に疲れはてたオジサン労働者が、ともに上位4%の合格枠を争う椅子取りゲームに挑むわけです。苦行難行のすえ、自らを高める以外に勝ち上がる見込みはありません。
ただ、ここからが本題です。
おもしろいもので「隙あらば勉強する」を数カ月継続すれば、それは苦行難行から、やがて「習慣」に変化します。早朝の勉強が歯磨きの如くの習慣になったのと同じで、何の気負いも努力もなく、日々たんたんと隙間時間を見つけ確保し、勉強にあてるようになるものです。テキストを開かないと、過去問を解いていないと、なんだかんだ居心地が悪い、落ち着かない状況が次第につくられるものです。合格した年の私がそうでしたから。
そうなればしめたものです。一日の生活の時間に余暇の時間がなくても何の不満も落胆も感じなくなります。勉強法を唱える人がよく口にするのが”勉強の習慣”。私は自分が合格して初めて、その意味が分かった気がしています。
「隙あらば勉強」を「習慣」にかえるために、苦行難行に足を踏み出してみてください。
(つづく)
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